公演当日のルーティン
やぎ座のA型、八木詠子です!
平成.EXEのコラム企画が始動するとのこと。これから団体の個性豊かなスタッフ陣が様々なコラムを投稿します!
今回のお題は「公演当日のルーティン」。
私は現在.EXEにて、脚本と演出の他にも照明を担当しています。
本来なら演出として色々立ち回るのが普通だと思いますが、今は照明の仕事を軸に準備しています。
照明のお仕事は主に照明機材のセッティングと操作。公演当日はすでに照明機材も吊り下げており、卓と呼ばれる操作機のつまみを上げ下げするだけ。ここまでが体力的にも大変ですけど、 乗り越えてしまえばあとは本番を集中して迎えるだけです!
ルーティンとしては朝、劇場にやってきて照明ブースに入ったら卓の電源を入れ、照明機材など の確認を演者さんが集合する前に済ませます。そのあとはざっと舞台上の幕や小道具の確認なん かもやっておきます。
私はいつも劇場にくるのが一番か二番が多いです! 本当は早く劇場入りする必要はあまりないのですが、演出として不足の事態に備えて誰よりも早く入るくらいがちょうどいいのかなと思ってます。実際、急な買い出しなども発生するので、ちょうどいい入り時間です。朝起きるの苦手だけど頑張ってます٩ ( 'ω' )و
そこからだんだんと演者さんやスタッフが集まり出します。なるべく演者さんのルーティンを壊 さないよう照明ブースでQ(照明を切り替えるタイミング)の確認をしたり、消え物の小道具を製作したり。たとえばVol.2.5『怖カフェ怪談』では毎公演、内容の違うクイズ台本を準備してました。Vol.3『つぼのなか』のときは作中で壊す壺を八木が公演ごとに修理したり。公演期間中、信じられない量のお札を書きました!家に帰ってからの作業も多く、大変だったけど頑張った...!
その後は他のスタッフさんと連携をとりつつ本番前にご飯をさっと済ませ、お昼公演(マチネ)を迎えます。
文字で書くとあっさりしているようですが、演出としてもその日その日に起きる出来事への対応に追われるので、決まったルーティンのみで済む日はほとんどないです...!いつか華麗に「本番前の一杯のコーヒーがルーティン」とか言ってみたいです( ; ; )
ここで豆知識。お芝居の午前に行われる公演をマチネ、午後に行われる公演をソワレと言いますが語源はフランス語なのをご存じでしょうか?マチネはフランス語で「朝の、午前の」、ソワレは「日が暮れた後の時間」を指すそうです。ちなみに一日三公演の場合、2回目の公演は「ジュルネ」と呼びますがあまり使っている人はいないですね。
マチネが終わるとソワレに向けての準備。やることは基本的には一緒です。照明や小道具の確認など。受付や会場スタッフを兼任する場合もあるので、その擦り合わせもあります。暇そうに見えて結構忙しいのが小屋入り期間中のスタッフ陣です。
私が本番中に意識していることはとにかく平常心! 照明のミスはちょっとしたものでも、演者さんの大きな動揺に繋がりやすいです。なので、決められたタイミングでしっかりと舞台上を照らせるようになるべくフラットな気持ちで毎公演を乗り越えています。
照明ブースからみる演者さんたちのお芝居は、稽古場で見るお芝居とはまた一味違った雰囲気に包まれていて、私自身観るのがとても楽しみです。舞台上の緊張感という魔物と戦いながらベス トを尽くそうとする演者の皆さま・スタッフたち。みんなが揃って、初めて作品という大きなうねりを生むことができる。その一員になれるというのは何公演重ねても不思議な高揚感がありま す。
みなさんのお芝居に照明として彩りを添える役割はやりがいがあり、とても楽しいです。正直、 演出と兼任で手が回らないことも多く、歯痒さを覚えるときもあります。それでも、お客さまにより良い作品をお届けするために自分にできることをこれからも全力で頑張ります!
八木詠子の「本番前のルーティン」でした!