top of page
春の花と表彰台

『ああ麗しき蒸気の調』

  • 執筆者の写真: annie
    annie
  • 9月9日
  • 読了時間: 7分
ree

 

ya! annieです。家具、お好きですか?


 ちょっと急でしたね。あとめんどくさそうな香りがすごいですね。この危機感を感じ取った方々は、セールスに対してもかなり強気に出れるかと思います。ただ今回はセールス目的ではないので安心してください。安心して「好き」と言っていただいて大丈夫です。あら、同好の方々がいっぱいいて嬉しいです。


 というわけで今回のテーマは家具、それも『アンティーク家具の一種であるベントウッドチェア』についてです。

 アホほどニッチな話になりますが、まずはみなさん、アンティーク家具と言われて、どんなものを想像するでしょうか。ビクトリア感あふれるキャビネットとか、バーカウンターが根城の巨大カップボードなどでしょうか。華美な装飾、ボタニカルな柄、そんな感じでしょうか。ぼくはかつてそんなイメージでした。ですが今、個人的にはアンティーク家具の代表は『ベントウッドチェア』なのではないかと思うのです。


 で、ベントウッドチェアって何? という話の前に、まずアンティークって何? ってところを説明しようと思います。たぶん多くの方々は、めっちゃ古いヤツ、というイメージだと思います。そして実際、それは合っています。antiqueという言葉自体に明確な年代の定義はありません。ただ1934年アメリカで制定された通商関税法では、製造から100年以上経過したものと決められていて、それに準じてアンティーク家具などと表記されます。100年経ってないのはビンテージ。

 なので、いま店頭にあるガチアンティークってだいたい1800年代後半から1900年代初期くらいのものだったりします。その時代に一世を風靡した家具のなかに、『ベントウッドチェア』なるものがあるわけです。


 さあお待たせしました。じゃあ『ベントウッドチェア』って何? のコーナー。簡単に言うと、木を曲げて作った椅子。木を、曲げてる。意図的に、人間の意志で。

 すごい力持ちの職人さんの手によって腕力で曲げられている、わけではない。蒸気で曲げてるんですよね。高温の蒸気で木を湾曲させて型にはめて丸や曲線を作り出し、ヴィクトリア様式にも埋もれず、今日でも通用する丸くて可愛いデザインになっているんですよ。ダブルループ、ツーバー、ユーバックなどいろんなタイプがあって、脚もくにゃんってしててかわいい。

 まあ木を曲げる技術って、現代ではそれほど驚きというわけでもないでしょうが、これはアンティーク家具の話。いまからざっくり150年前には、すでにそんな技術があったんです。

 で、それが今でも残っていて流通している。すごくない? ロマンじゃない? 時間って目に見えない奥行だと思うんですけど、ただの椅子からはなかなか感じることができないそれがあって、めっちゃ軽いのにどこか老練な渋みもあるっていう。

 一応、木を曲げる技術自体は古代からあるっていうはなしですが、一般家庭の家財道具にまで普及し、かつそれが量産されて現存しているって、人間のしぶとさみたいで面白くないですか。


 さらにこのベントウッドチェア、パーツ分けできるんですよ。分解がききます。

 1800年代といえば、ご存じ産業革命の時代です。工場制手工業へ移り変わり、人間のものづくりが家内の手仕事から資本ありきの大量生産に代わっていったロマンの時代に、デザインと生産性を両立させたベントウッドチェアは誕生しました。組み立て家具の先駆者みたいなやつですね。この分解ができるってけっこう大事で、メンテナンスがしやすいんですよ。そんで流通量もまああるから、技術と素材をバトンタッチしながら現代まで永らえている。いろんなキズ、修復の跡があるから、アンティークショップで眺めているだけでも結構楽しいし、歴史を手元においておけるようで買っても嬉しい。

 あとアンティーク家具、メンテナンス道具が豊富です。いま国内でも色々買える。中華鍋とか育てている人は同じ感覚で楽しめるかと思います。傷を埋めたり塗料を変えたり新しくファブリックを追加したり、最古のトーネットを求めていろんなお店を巡ったり、いっぱい楽しみ方があります。ちなみにトーネットというのは社名であり人名です。ミヒャエル・トーネットというおじさんが、このベントウッドチェアを確立させました。この辺の話は家具というより産業革命という時代の話になりそうなので今回は割愛しますが、近代史好きな人は調べてみたらまた面白いはず。


 長々と早口で語りましたが、そろそろ結びのお時間。

 値段的にも、歴史探訪的にも、ベントウッドチェアはアンティークの入り口としてとってもおすすめ。買ってよし眺めてよし手を加えてよし、そこからさらなる深みを求めれば、アンティークの世界にずぶずぶしていくことでしょう。ロマンを追い求める趣味人諸兄、歴史的バックボーンを調べることも併せて、アンティーク家具を楽しんでみてはいかがでしょうか。


 今回はニッチなオタク語りの回となりました。しかしアンティーク家具に関してはまだ語ることがあるので、いずれ第二回、第三回がやってくることでしょう。脚の話とか、変形するテーブルとか、革とか、おすすめのバードホイッスルとかね。


 bye!



annieのX(旧Twitter)絵など上げてます


annieのnote 小説があります




★団体のお知らせ★


10月に公演があります!!!!!!!!!!!!!!


【公演情報】


演劇企画 平成.EXEvol.5

『M・P・D・G』


■あらすじ


時は平成、200✕年。オタクへの偏見は薄まってきたもののまだまだ肩身の狭い時代。同人サークル『ゆ〜みんつ』の前に美少女ゲームの中から飛び出してきたような魅力的な少女“こいし”が現れる。サークルメンバーのもえひろと“こいし”は徐々に惹かれ合う。


オタクと美少女、正反対の二人の恋の行方は!?


ーーーーーーー


もえひろが死んだ。突然に。


俺たちは“こいし”が怪異になったPCゲーム『魔法学園みらくる〜んα』のヒロイン“小石川恋枝”だと確信し、敵討ちに乗り出す。

とりあえず霊媒師を呼んでお祓いを試みたものの……。

苦戦する俺たちにひょんなことから手を貸したのは、相容れないと思っていた正反対のギャルたちだった。



【劇場】

ラビネスト高田馬場


〒169-0051

東京都新宿区西早稲田3-27-4

第一キャラット河俣 B1F


(交通:東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 徒歩3分. JR山手線/東京メトロ東西線「高田馬場」駅 徒歩8分)



■日時

10月24日(金)19時

10月25日(土)13時★・19時

10月26日(日)12時 ・16時


・受付・開場は開演時間の30分前です。

・上演時間は2時間程度を予定しています。


★本編後・スペシャルミニイベント!

出演者VSお客様対抗クイズ大会(約15分)



■脚本・演出

八木 詠子



■出演・全12名


【W主演】

藤松えいら(演劇企画 平成.EXE)

大沢風琴(演劇企画 平成.EXE)

今村真也

山下歩夢(演劇企画 平成.EXE)

蔵谷日向(演劇企画 平成.EXE)

坪倉楓果

龍瑶

刻里優志

澁谷遼平

笹平るる(オフィスTOPICA)

竜ジン太(テアトルRUI)

岩瀬惇希



■協力

・作品テーマ曲制作:かとう 

・小石川恋枝キャラクターデザイン:とうまつ亜種(匿名)

・取材協力:本原一輝(TV東京系 TVチャンピオン「アキバ王選手権」準優勝)



■チケット

9/1(月)20時より販売&予約受付開始


最前 前売5000円 / 当日5500円

一般 前売4000円 / 当日4500円


【お支払方法】

①当日精算

②事前電子決済(※手数料はお客様負担になります)


・ご予約&チケット販売ページ


・公演HP



---------------------------------

お花やプレゼントについてのご案内

---------------------------------


○お祝い花について○


検討されている方は2025年10月17日(金)24:00までにeiratomatsu@gmail.comまでご連絡下さい。


○プレゼント・お手紙について○

・当公演はプレゼントやお手紙のお渡しが可能です。

・受付スタッフまでお申し出ください。

(安全を考慮しスタッフが確認させて頂きます。生もの、手作りのものについては衛生面の観点から受付不可となりますのでご了承下さいませ)


---------------------------------


◾️公演についてのお問い合わせ

演劇企画 平成.EXE 主宰

藤松 えいら 宛までお願いいたします。



staff

【主宰・制作】藤松えいら

【制作補助・受付】annie

【演出助手】蔵谷日向

【照明】みーや・八木詠子

【音響】水井直樹

【舞台監督】紗乙女つくも

【フライヤー・ビジュアル撮影】みなせ

【広報デザイン・舞台美術】藤松えいら

bottom of page