『断崖を歩く』
- annie

- 9月5日
- 読了時間: 6分

東尋坊、城ケ崎海岸、三段壁、崖っぷちって不思議な引力がある。それって魅力なのかな魔力なのかな。
ya! annieです。高いところが好きです。馬鹿と煙は高いところへなんちゃらという慣用句、よく耳にしますがあれはだれが言い始めたんでしょうかね。言葉のナイフがぽよんぽよんしているかと思いきやちゃんと切れ味あるよね。誰が煙だ! 人間だぞ! って心の中では反論している。
さて、日本には様々な景勝地がありますが、有名な断崖絶壁も多いですよね。台地がうねって波が削って、気の遠くなる時間がつくった力強さに震える。怖くて震えてるのかも。高いところは好きだけど恐怖心も持ち合わせているannie。深くから延びる岸壁が足をつかむんじゃないか、白く砕ける波が獲物を前に垂らすよだれのようなどう猛さの証じゃないか、どきどき。
静岡の良く知らない崖に立った時、僕は笑っていたのか引きつっていたのか。
ここまで海岸の印象を並べましたが、自分の出身はモリモリの山なので、崖というと山際の岩肌のほうがなじみがあります。山に馴染んでいます。見かけたら軽く挨拶するくらいの距離感です。だからなのか、ボルダリングが好きです。高いところを目指して、難しい道を選んでじわじわよじ登っていくスポーツ。思い返せば小さいころからよく登っていた。前回も出てきた、僕が頭から血を出すことになった門にもよく登っていたし、近くの公園の木にも登っていた。達成感と解放感を求めてよじよじして、両手を広げて風を感じていたもんです。当時の夏はまだ手心があったころで、登った後に吹き抜ける風が心地よく、それは爽やかな賞賛だったから。そうか、なんで急にこんな話にしようと思ったのか気づいてしまった。夏休みシーズンが終わったからだ。高いところに登るのはもっぱら夏休みだったから、その記憶がこの文章を引っ張り出したのか。行動が先で、あとでその因果に気づく瞬間ってあるよね。
で、よ。一番思い出深い崖っていうのが僕にはありまして。それは地元の名も知らぬ山の、展望台近くの崖です。
山肌から飛び出した岩が連なる、その端っこってだけなのですが、周囲は展望台になるだけあってとっても見晴らしがよかった。転げ落ちたら折れた傘の現代アートみたいな状態になること請け合いの際も際だったけど、眼下には人の営み、見上げれば青天井、その間でふわふわした感覚は今も覚えている。昔はいまよりも神経質で、他人のそばはチクチクした痛みを伴っていて、そんな中で正真正銘たった一人の自由を感じたのは、邪魔するものがない崖っぷちだけだったように思う。どこにだって落ちていけることに、昔は恐怖を感じなかったんですね。
今もまだ際が好き。そこに真の自由を感じるから。僕が自分で書くお話やキャラクターもだいたい際を歩いている。いずれそんなお話も世に解き放てるといいですね。個人責任編集でね。
ちなみに昔は高いところに登ったあと、よく飛び降りてた。イエーイって。さすがに崖から飛ぶことはなかったけれど、門の上から、木の上から、川辺の岩場から、万歳しながら落下していた。幼少期特有の勘違いで、それが自分の強さの証明になると思っていました。馬鹿だねえ。……え!? 馬鹿!? いいや違うね、今は淵に立ってどこまでも吹き抜ける風に溶けて、煙に消えるような余韻を楽しむのが好きなのさ。……え!? 煙!?
油断するとくだらないことばかり考えてしまう。まぁこのくらい頭の中が騒がしいほうが淵で立ち止まっても気がまぎれるというもの。脳内の馬鹿と煙に生かされて、海岸を散歩するみたいに際を歩いて生きていきましょう。崖っぷちには、魅力もあるし魔力もあります。ただ余力がないと引力に抗えないからやっぱり人間は新緑から出るべきじゃない。……ちょっと無理やりだね。でもほんと気を付けてね?
あと体力があるうちに険しそうなところにある絶景は見ておきましょう。僕はもうヘルニアでそこそこきつい。
馬鹿と煙に次ぐ第三の刺客、おじさんが出てきたところで、今回は終わります。エッセイとコラムの瀬戸際で、またお会いしましょう。
bye!
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★団体のお知らせ★
10月に公演があります!!!!!!!!!!!!!!
【公演情報】
演劇企画 平成.EXEvol.5
『M・P・D・G』
■あらすじ
時は平成、200✕年。オタクへの偏見は薄まってきたもののまだまだ肩身の狭い時代。同人サークル『ゆ〜みんつ』の前に美少女ゲームの中から飛び出してきたような魅力的な少女“こいし”が現れる。サークルメンバーのもえひろと“こいし”は徐々に惹かれ合う。
オタクと美少女、正反対の二人の恋の行方は!?
ーーーーーーー
もえひろが死んだ。突然に。
俺たちは“こいし”が怪異になったPCゲーム『魔法学園みらくる〜んα』のヒロイン“小石川恋枝”だと確信し、敵討ちに乗り出す。
とりあえず霊媒師を呼んでお祓いを試みたものの……。
苦戦する俺たちにひょんなことから手を貸したのは、相容れないと思っていた正反対のギャルたちだった。
【劇場】
ラビネスト高田馬場
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田3-27-4
第一キャラット河俣 B1F
(交通:東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 徒歩3分. JR山手線/東京メトロ東西線「高田馬場」駅 徒歩8分)
■日時
10月24日(金)19時
10月25日(土)13時★・19時
10月26日(日)12時 ・16時
・受付・開場は開演時間の30分前です。
・上演時間は2時間程度を予定しています。
★本編後・スペシャルミニイベント!
出演者VSお客様対抗クイズ大会(約15分)
■脚本・演出
八木 詠子
■出演・全12名
【W主演】
藤松えいら(演劇企画 平成.EXE)
大沢風琴(演劇企画 平成.EXE)
・
今村真也
山下歩夢(演劇企画 平成.EXE)
蔵谷日向(演劇企画 平成.EXE)
坪倉楓果
龍瑶
刻里優志
澁谷遼平
笹平るる(オフィスTOPICA)
竜ジン太(テアトルRUI)
岩瀬惇希
■協力
・作品テーマ曲制作:かとう
・小石川恋枝キャラクターデザイン:とうまつ亜種(匿名)
・取材協力:本原一輝(TV東京系 TVチャンピオン「アキバ王選手権」準優勝)
■チケット
9/1(月)20時より販売&予約受付開始
最前 前売5000円 / 当日5500円
一般 前売4000円 / 当日4500円
【お支払方法】
①当日精算
②事前電子決済(※手数料はお客様負担になります)
・ご予約&チケット販売ページ
・公演HP
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お花やプレゼントについてのご案内
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○お祝い花について○
検討されている方は2025年10月17日(金)24:00までにeiratomatsu@gmail.comまでご連絡下さい。
○プレゼント・お手紙について○
・当公演はプレゼントやお手紙のお渡しが可能です。
・受付スタッフまでお申し出ください。
(安全を考慮しスタッフが確認させて頂きます。生もの、手作りのものについては衛生面の観点から受付不可となりますのでご了承下さいませ)
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◾️公演についてのお問い合わせ
演劇企画 平成.EXE 主宰
藤松 えいら 宛までお願いいたします。
staff
【主宰・制作】藤松えいら
【制作補助・受付】annie
【演出助手】蔵谷日向
【照明】みーや・八木詠子
【音響】水井直樹
【舞台監督】紗乙女つくも
【フライヤー・ビジュアル撮影】みなせ
【広報デザイン・舞台美術】藤松えいら




